今週は Intensive Week、来週は Spring Break ということで、今週水曜日に、特殊な授業がまる1日あるだけなので、前回書いたっきり、さぼっていた本セミナーについて内容をまとめておく。
概要は以下。
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第5週(3/20)
1回目の宿題のレビュー
Argumentation について
Test your knowledge(3人ペア)
第6週(3/27)
ハンティントン、フクヤマの著作の議論(Mandatory Reading)
※これら著作についてのミニクイズを3/19までにオンライン上で受験要
第7週(4/3)
フクヤマ、センの著作の議論(Mandatory Reading)
Basic research method
第5週
まず1回目の宿題のフィードバックとして、基本事項として以下が指摘された。
・提出資料データの名称(マイクロソフトワードのファイル名)
※生徒自身の名前も付随すること
・ページ冒頭には名前、何の講義の宿題かを提示
※講義名、講義記号、第〇回課題+名前など
・最初のページには Research Question とタイトルを含む
・Academic/professional language の使用
・文中での正しい引用(著者の名前記載必須)
・引用文献の正しい列挙(Primary/Secondary + Professional + other sourcesの区分 )
・AIツール使用の有無(これは今後の課題への追加指示)
で、私の文章は上記については概ね問題なかったが、評価は7/10点だった。
これは前期の同科目(違う講師)では経験していない低い点数で、前期で学んだ基準で書いたつもりだったが、今回の講師にとってはよろしくない基準だったようだ。
同じ境遇の生徒はこの課題で4点しかもらえなかったと嘆いていた。
もちろん彼も前期の講師にはこんな低いスコアを与えられることはなかったそうだ。
こんな状況のためか、前期に違う講師のセミナーを受講していた生徒を対象に、翌日(3/21)にオンラインでコンサルティングを個別にするから予約表に名前を記載するよう指示があった。(ちなみに私にとってはあまり意味あるものではなかった)
第1回の課題は、基本的に自分の研究テーマの論文を進めつつ、セミナーで学んだ参考文献の1次・2次資料や、それらからの引用をパラフレーズ(言い換え)する練習だ。
要件は以下。
研究課題を含め、参考文献の参照とパラフレーズ
ハーバード・スタイル・ガイドを使用
参考文献リストに出典を記載する際は、1+3フレームワークを使用
論文はMS Word形式で2ページ(本文は最低1.5ページ)・Times New Roman・12ポイントのフォント・最大1.5行の行間
参考文献リストのみ3ページ目使用可
提出した結果、フィードバックには以下の指摘がされた。
・文章が長すぎる
・テーマが広すぎる
・文法ミス
・引用不足
・引用リストの書き方への指摘多数
翌日のオンラインコンサルティングで確認したが、文章が長すぎた件は、「最大1.5行間」という講師側の指示ミスで、正しくは1.5行間で2頁書いて欲しかったそうだ。
前期は1.5行間なんて広い行間で書いたことなかったため、前期と同じ行間で書いた。
土日も含め、2頁埋めるのに1,500単語も書いてしまい、かなりの時間を費やしたので、内心「ふざけるな」と思ったが、最終版は2,000単語以上必要なので、前もって進められたと思っておく。
セミナー後半は3人でペアで、logical fallacy(論理的誤り)について学び、演習実施。
1.Slippery slope(負の連鎖)
1つの行為が大きな、意図しない変化を引き起こすと主張する
例:最低賃金を引き上げると、ビジネスは失敗する。
2.Ad hominem(人身攻撃)
人の主張より、その人自身を攻撃する
例:君は最低で間違った人間だ。
3.Appeal to authority(権威に訴える論証)
自らの論拠が正しいと主張するのに、権威的人物を使う
例:私の母の友達の医師が1日にバナナ3本食べなさいって言ってたよ。
4.False cause(原因の間違え)
おそらくお互いに因果関係のない2つの事象を見る
例:3月は毎日リンゴを食べたから、病気にならなかった。
5.Strawman(かかし論法)
攻撃し易くするために、相手の議論の意図をすり替える
例:石油が気候変動の原因だって言うのは、私たちに洞窟で暮らせと言ってるの?
ここまでは、何だか世間で良く見られる論法ばかりだ。
居酒屋の会話にはちょうど良いかもしれないが、媒体では勘弁してほしいものだ。
講義資料も、これらに当てはまるのは「思考の欠落を露呈している」と痛烈。
次に flawed evidence or evidence that is not relevant(欠陥のある証拠または関係のない証拠)として5つの例を学んだ。
1.Texas sharpshooter(テキサスの狙撃兵)
本来ランダムなのに、都合の良いデータ・パターンを議論に当てはめる
例:5つの国のうち、ワクチン接種率の高い3つは、脳腫瘍の比率も高い。
2.Burden of proof(立証責任)
証拠なしに主張し、立証を提供するよりむしろ他者の反証次第だと断定する
例:君が幽霊が存在しないことを証明できないなら、幽霊はいる!
3.Begging the question(論点先取)
結論を含んだ前提の議論をし、議論を意味することが何も生み出さずに議論それ自体を繰り返す(circular reasoning:循環論法とも呼ばれる)
例:豪州は住むのに世界で最高の国だ。だって他のどの国より最高だもん。
4.Appeal to nature(自然に訴える論証)
自然のものだから良いと主張し、自然のものでないからダメと決めつける
例:抗生物質は人工物なので身体に悪い。健康でいるために緑茶を飲む。
5.Ancedotal(逸話的)
個人的経験や逸話を証明として使用する
例:昨年インフルワクチンを接種したけど、そのせいで3週間インフルになった。
そしてさらに5つの例。
1.Genetic(発生論)
実際のメリットより、ある考えや、その起源や発生源を元に論拠を判断する時
例:主流媒体のあれ読んだ?あのメディアは信用できない。
2.Loaded question(誘導尋問)
想定が込められた質問をする
例:ネット上の人たちを信用するほどあなたはバカですか。
3.Appleal to emotion(感情への訴えかけ)
事実を述べたり、主張をすることによってではなく、感情で操作しようとする
例:この慈善に寄付すべき。そうしないと多くの子どもが苦しむままだ。
4.Personal incredulity(無知に訴える)
理解が欠落しているために、何かを真実だと信じ込む
例:進化はとても複雑だ。そこに真実なんてない。
5.Tu quoque(お前だって論法)
直訳は「you too」
例:私の主張が誤りと思うの?それならあなたも誤っているわ。
逆説的に見ると、なんだか2~4はビジネスや政治の基本と思える。
これらをサッと学んだあと、配布された紙面に書かれた例はどれに該当するか、ということを3人ペアで作業した。
私のペアのうち1人が、まだ問題読んでるうちに答えてしまうので、そのスピードについていけなかった。
ちなみにこれらは persuasive language の一部とされ、これから取り組む論文の世界では使用を避けなければならない。
Appeal to emotion なんかは、為政者のスピーチや報道番組、報道記事に多く見られる。(それを”報道”と言っていいかは知らんが)
そして聴衆・視聴者への効果は絶大だから質が悪い。
第6週
この日も3人または4人グループに分けられ、講師からハンティントンの「文明の衝突」とフクヤマの「歴史の終わり」の両著作に関して質問が与えられ、グループごと答えるという流れだ。
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ハンティントンの「文明の衝突」は面白かったし、ブログにまとめていたので、どの質問も「あーあれね」という感じだったが、フクヤマの著作はハンティントンほど読みやすくなかったのと、まとめ作業をしていないため、(1週間たっているし)内容をほとんど覚えていなかった。
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実はフクヤマの「歴史の終わり」も、これを書いている時点で、半分くらいまでまとめを書いたが、まだまだ時間がかかりそうである。
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第7週
この日も3人のペアに分かれ、センの「Freedom to think」、フクヤマの「歴史の終わり」を取り上げ、前週と同じ形式でのセミナーだった。
読んでから2週もたってしまっているので、もちろん内容は覚えていなく、質問への回答作業はきつかった。
最後に、次回の課題に大いに関わる Research Method に入りかけたが、時間切れでセミナー終了となった。
第8週は第2回の課題もあり、なかなか重い週となったので、別でまとめる。
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