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2025/03/07

心理学 二重過程理論の情報処理

(第2週後半)

Dual-process theories


システム1、システム2と呼ばれる2つのシステムに認知機能を分け、別々に処理する、しかしお互いは頻繁に補完し合う。


システム1が通常システム2をリードするが、一緒に機能し、一段階深い思考が必要なとき システム2が介入する。


直感的システム1方法論的システム2はしばしばCognitive conflicts(認知的葛藤)を引き起こす。(Cognitive biases:認知バイアス、Heuristics:経験則による思考)




システム1:意識的な努力なしに、刺激に対して素早く反応、または直感的に実行
 → 危険回避、顔の認証(ショートカット処理のためバイアスエラーあり)

システム2:時間をかけた意識的な努力と集中が必要
 →数学の問題を解く、人生における決断をする(情報過多で過負荷の可能性あり)


Kahneman personifies System 1 and 2 as agents

システム1と2の関係:
システム1は、決断を作り上げるシステム2に提案をするために、感情と記憶を分類しながら、自動で常に活動している。
大抵、この処理はうまくいくが、システム1はバイアスがかかりやすく、即答できるものに頼ってしまう。そのため、システム2が考慮できないエラーの原因ともなる。



How to use dual-system theories for persuasion?


Elaboration-Likelihood Model

説得理論のモデルで、人が説得させられるとき、どれだけそのトピックに対して注力するかによって2種類ある。


1つは、強く動機付けされ、時間をかけて考えるトピックの時、メリデメを十分に考慮するメインルート(the central route)から説得が起こる。
 例:担当医に外科手術が必要だと言われたとき

もう1つは、早急に意思決定するまたは意思決定が重要でないとき、これらは周辺的経路(the peripheral route)から容易に説得が起こる(手近で安易な決定になる)


Central route processing:注意深く、意図的に情報を考慮する
Peripheral route processing:ステレオタイプなどcognitive short-cutによる思い付き
Petty and Cacioppo's(1986)
※Chaiken's heuristic-systematic modelとほとんど同じ




Decision-making and the two systems

朝食に何を食べるかの小さな意思決定から、新しい仕事を始めるという大きな意思決定まで人は一日に35,000件(2,000件/時、1件/2秒)の意思決定をする。

人は合理的に意思決定をしようとするが、限定合理性(Bounded rationality)のために、発見的手法(Heuristics)が必要となる。

意思決定の裏にある重要要素は、
発見的手法・偏り、感情、動機、個人差(気質など)、倫理とモラル、帰属度、態度。




Cognitive Biases

定義:合理性や規範からの判断に対しての機能的逸脱
→個人は主観的現実を入力情報の各々の知覚に基づいて築き、この主観的現実が行動を決める。

→その結果、知覚変容、誤判断、非論理的解釈、非合理が発生する。
 例:ステレオタイプ、自信過剰、アンカリング効果(Anchoring bias)



Confirmation bias
人の持つ信念に信頼を置き、気付く、集中する基礎的な傾向をあらわす。
Emotional Comfort、Social Influenceによる。

例:
喫茶店の店長が、売り上げ不振を従業員の努力不足とする。
一所懸命働くことが売り上げUPにつながるという信念から判断するが、実際は立地条件が真の要因であり、結果的に非効果的な意思決定を行ってしまう。

リスク
個人レベル:個人の信念のみで判断ミス、他の視点を考慮できないゆえの機会損失
一般レベル:似た信念のグループに染まり社会的分断が増長(エコーチェンバー)

リスクの避け方
議論のブレイクダウン、多様な情報源、討論など




Gambler's fallacy
統計的に独立した事象にも関わらず、未来の事象が過去の事象に影響されるとする信念
Dislike of Rondomness、Law of Small Numbers、Faith in Chance as Self-correctingによる。

例:カジノのルーレットで何回も連続で黒が出て、次は赤が連続するはずだと考える。

リスク
個人レベル:誤判断、無関係の事象にパターンを見出し確率評価を歪める
一般レベル:誤った解釈が政策、科学、金融の重要な分野の決定を歪める

リスクの避け方
データに基づき因果独立性を認識する、工程の分析



When do we make heuristic decisions(mental shortcuts)?

・注意深く熟慮する時間がないとき
・情報過多で処理できないとき
・問題が重要でないとき
・知識が欠けているとき
・動機がないとき




Problems in in information processing
  - Monty Hall dilemma or the goat problem


・出題者から回答者へ3つのドアから1つのドアを選択させる

・うち1つには正解としてドアの向こうに高級車がある(ほか2つはハズレのヤギ)

・3つのドアの選択肢から回答者が1つのドアを選んだあと、選択者に選ばれなかったうちの2つのドアのうち一方を出題者が開いて、ハズレを意味するヤギがいることを回答者へ見せる

・そのうえで主題者は回答者へ「選択したドアを変えても良いですよ」と伝える

ものである。


この問題の論点は、この時点で回答者が選んだドアか、残るもう一方へ正解のドアは絞られるわけだが、回答者は選択したドアを変えるべきか?ということである。

結論は変えた方が、正解の確立が2/3となり、変えない場合は1/3となるため、変更した方が良い。


しかし、講義室で「この時ドアを変える決断をするか、しないか?」という講師からの問いに、挙手した生徒の数は「ドアを変えない」が多かった

数学的な解釈は置いておいて、この状況では一般的にドアを変えない人が多いらしい。
その心理学的理由は以下によるものである。


Regret in decision-making

後悔は自己嫌悪、落胆、罪の意識、悲しみ、羞恥につながる感情である。
主に2つに分けられる。

Retrospective regret(後悔回顧):過去の決断への悔い

Anticipated (prospective) regret(後悔予期):未来の決断から期待される悔い

不確実性が後悔の可能性を高める。

人は後悔を避けようとするため、それが意思決定へ影響する。
また後悔予期はリスクを取る決断を可能にするとも言える。





様々な認知バイアス

Availability heuristics(Kahneman and Tversky)


胃がんと交通事故ではどちらがより多くの人が亡くなった原因か。


答えは圧倒的に胃がんが多いのだが、「交通事故」と回答しがち、というものだ。
実際、この講義で回答した生徒は「交通事故」と答えた。

頭に思い浮かぶのが早い方を選択しがちというもので、普段メディアからさらされる情報は交通事故死の方が多いという影響がある。




Anchoring(Kahneman and Tversky)

最初の基準に左右されるというもので、例えば国連加盟のアフリカ諸国の割合は10%より高いか低いかと予想の割合を回答してもらうのと、65%より高いか低いか、と聞かせるのとでは、回答者は最初の数字に影響を受け、それぞれ平均25%、45%と回答する。




Framing Effect

いまめったに発生しない病気で600人が亡くなると推定されている中、以下2つの情報があるとき、どちらを選択するか。


A:200人が救われる
B:1/3の確率で600人が救われるが、2/3は皆亡くなる

X:400人が亡くなる
Y:1/3の確率で600人が救われるが、2/3は皆亡くなる


読めばわかるが、2つとも同じことを伝えている。
しかし、リスクを避けたがる傾向も相まって、同じことを言っているという本質に気づかず、「救われる」「亡くなる」ということにフレームを当ててしまい、意思決定に影響を与えるものである。




Linda problem

リンダは31歳で独身、歯に衣着せぬ物言いで、実に聡明。学生時代は哲学を専攻しており、社会正義と人種偏見問題に取り組んだ。そして核廃絶運動に取り組む。

リンダを表す表現として適当と思われるものは以下のどちらか。

1.リンダは銀行窓口で勤務
2.リンダは銀行窓口で勤務、フェミニスト運動の参加者

Representativeness heuristic と呼ばれる傾向が、リンダを描写するものとして2.を選択させる
これは与えられた要素が典型と一致する点を判断の根拠として、その典型へ分類してしまうものである。


他には、Familiarity Heuristic(より繰り返し見る情報に影響を受ける)、Expert Heuristic(発言の内容ではなく、誰が言ったかに影響される)などがある。




Intuition - in a valid and non-valid environment

医師、消防士、チェスプレイヤーに見られる突発的判断は経験、知識、状況などに基づかれるものであり、言わば長年築かれた「台本」によって効果的な意思決定を可能としている。
Intuition in a valid environment に分類される。

逆に、株価市場や政治舞台では定常性が欠けているか、またはそれを特定することは困難であり、意思決定は信頼性の低いものとなる。
Non-valid environment に分類される。


第3週まとめ終わり。


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