語学学校のクラスメイトともよく話題に上がっていたのだが、IELTSとケンブリッジ英検CAEはどう違い、どちらが難しいだろうか。
IELTSのReadingは難化傾向?
私が最後に参加していた、IELTSコースの講師が、Readingはどんどん難化している、と言っていた。
私は今年オーストラリアで1回、日本で1回、IELTSを受験したのだが、私の印象もそれに近いものだ。
というのは、IELTSのテスト形式の公式ブックの問題より、両本番とも明らかに難しかったからだ。
私はCAE取得を目標に渡豪したので、CAEコース受講後に受けたCAE Examsの不合格で、一般コースに移る予定を、急遽IELTSコースへ変更し、3ヶ月後のCAE Examsに備えることにした。
Academic寄りの英語と聞いていたので、検定準備にプラス要素になると思ったからだ(ケンブリッジ英検はどちらかというとgeneral寄り)。
そしてIELTSも実際受けてみることにした。
写真:時間管理の面から公式ブックでのテスト練習は必須
IELTS15, 16のブックを購入し、試験に向けて準備し、Perthという街で、人生初のIELTSを受験した。
ペーパー式の方を選択し、40人以上はいたと思われる受験者の中で、日本人は私1人。
IELTSを受けたのは初めてだったので、Writing、Reading、Listeningの間に休憩がないのにはびっくりした。
そしてReadingセクション。
Passage1~3から構成されるReadingは、3 passagesのうち、少なくとも1つは難易度の低い(読みやすい)文章、というのが公式ブックからの印象だった。
しかし本番は、3 passagesすべて、どれも難易度が高く、時間が全く足りなかった。
最後のpassageはまともに読みもせず、拾い読みだけで回答したので、内心「だめだこりゃ」と思ったが、結果は6.5。
その2ヶ月後、日本で受けた際も、4か所も空欄のまま試験を終えるという失態を犯したにも関わらず(うち1つは単なる回答し忘れ)、結果は7.0。
これは他の受験者も同じように、テキストをやった時のような正答率で出来ていない人が多いことを意味していると思われる。
それで、CAEと比べてどうかというと、私個人としては、「時間がいくらでもあれば正答できる」がIELTSで、「時間があったとしても、わからないものはわからない」ものがあるのがCAE、と表現したい。
ちなみに問題構成は大きく違う。
CAE:
90分 8問(Part1)、6問(Part5)、4問(Part6)、6問(Part7)、10問(Part8)の合計34問
※CAEはUse of Englishという文法問題がPart2~4にあり、それを含み90分
IELTS:
60分 長文3問から成り、それぞれ13問、13問、14問の合計40問
ケンブリッジ英検のReadingには、文脈に合った単語の意味を直接問うものがあるし(Part1)、文挿入問題(Part7)や、内容理解をひねって問うもの(Part6)がある一方で、IELTSは基本的に与えた長文に対してダイレクトに問うものばかりだ。
それから、使用される単語範囲は、CAEの方が圧倒的に多彩だ。
そして、IELTSは答えを導くためのプロセスが、ある程度一定のパターンに当てはまる。
中でも最も重要なのは、長文内のフレーズと、問題文との間で、パラフレーズ(言い換え)を意識することだ。
長文内に、「問い」のパラフレーズを見つけられれば、あとは回答欄に合わせて答えるだけだ。
そこを訓練すれば、対策のひとつとできるが、CAEはそういった意識すべき対策案は見当たらない。
その分、IELTSの方が対策は容易とも言える。
ただし、そうは言ってもIELTSは良くできたテストだとも思う。
誰にも、一番やっかいなのは、NOT GIVENを回答として選択するかどうかの判断だと思うが、その問題での時間消費が激しいので、CEFR C1評価をIELTSで受けるには(7.0以上)、速いReadingスピードとそれでも落ちない理解力が必須で、結局見合った地力がないと、そのバンドスコアは達成できない。
しかし、逆に言うと、ケンブリッジ英検CAEのReadingを、時間内にそれなりの余裕を持ってすべて回答できる人であれば、IELTSのReadingはそんなに難しくないだろう。
私は当然、CAEだろうが、IELTSだろうが、時間内での全問回答は難しい。
IELTS本番に向けて重要になってくるのは、60分のテスト時間を意識し、タイムマネジメントをしながら、テキストで練習した後、とにかく時間をかけて1つ1つ復習をし、回答を導くプロセスを良く確認することである。
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IELTSのListeningはカンタン?
次にListeningだが、そもそもケンブリッジ英検のListeningの音声スピードは鬼だし、2回音声が流れるので、スタイルが違い過ぎて、比較対象とはならないかもしれない。
強いて言えば、IELTSのListeningの4つあるパートのうち、Part3が最もスピーキングスピードの速い傾向があるが、そのパートの中で、「今のフレーズ速かったな」と思ったスピードが、ケンブリッジ英検のListening音声のスピード、というのが私の印象だ。
CAE:
40分 Part1 選択6問、Part2 書き取り8問、Part3 選択6問、Part4 選択10問 計30問
IELTS:
30分 Part1&4 書き取り各10問、Part2&3 選択各10問 計40問
写真:ケンブリッジ英検のListeningは経験の価値アリ
もしケンブリッジ英検のListeningを普段から勉強している人であれば、IELTSのListeningは容易と感じるだろうと思う。もしケンブリッジ英検を経験していると、IELTSのPart1とPart4のディクテーションはさほど難しくないかもしれない。
しかし、Part2かPart3には、数問難しい問題が含まれる。
もしケンブリッジ英検のように、2回目の音声が流れるとしたら、正答できそうな問題もあるが、1回聞き逃してしまったら、回答できないとすることで、難易度を保っているようだ。
私の場合、たまたまケンブリッジ英検から勉強を入ってしまったので、IELTSの勉強を始めて、Part1なんかは「さすがに音声が遅すぎる」と思った回もあったが、もしケンブリッジ英検より先にIELTSに出会っていれば、そっちの方が段階を踏めて良かったかもしれないと思う。
しかし結果論としては、IELTSは扱うトピックがケンブリッジ英検とまた違うので、両方経験できて良かったというのが今の正直な感想だ。
IELTSのListeningはPart1とPart4のディクテーション、特にPart1でいかにミスをしないかが、スタートラインだと思う。
問題用紙の先読み、回答のワード数制限、スペル、複数形、前置詞の有無など、聞こえているのに回答を間違ってしまうのは、一番避けたいところだ。
特にスペルは、大文字か小文字かで誤答となってしまうことがあるので、私はすべて大文字で書くようにしている。
Reading&ListeningはIELTSの方がやさしめ
IELTSでもケンブリッジ英検でも、テスト結果の評価値はだいたい実力通りとなる。
しかし、取り扱うテストマテリアルはケンブリッジ英検CAEの方が難しい。それがケンブリッジ英検の合格ラインは60%の正答率と言われる所以である。
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