オーストラリアでお世話になったクラスメイトの1人に、メキシコ人のシェフがいる。
彼は10代で家を飛び出した後、シェフとして修業したのち、米国で数年、ドバイで数年シェフとして働いた後、オーストラリアに来たそうだ。
しかもメキシコでは、日本人シェフのもとで働いたこともあり、日本食の料理の奥深さが大好きらしい。
ただ、メキシコの日本人大将は何もさせてくれなかったそうで(最初の1年は見てるだけだ的な)、辞めてやった!と言っていた。
そんな彼とは、授業のブレイクの合間に、一緒にコーヒーを買いに行ったりしていたのだが、そのついでにクラスメイト全員にペイストリーを自腹で購入して配ったり(何回も!)、メキシコの非常に辛いソースを自作して、お持ち帰り用のプラスチックケースまで準備して提供してくれたりした。
ある日、いつもはクラスメイトみんなに披露する彼なのに、なぜか私にだけある料理を作ってきて、渡してくれた。
コオロギのフライだ。
メキシコでは地域によって、わりと一般的な食料品らしく、彼はわざわざオーストラリアでコオロギが購入できるところを見つけ、美味しく食べてもらいたいと、料理してきたのだ。
私の席の向かいに座っているメキシコから来たおてんば娘に聞いても「フツーだよ!」との返答だ。
写真:初見、食すのはムリかなと思った
正直、「なぜ私だけなんだ」と複雑な気持ちだったが、快く受け取り、コオロギさんたちには、いったん冷蔵庫で大人しくしてもらい、週末までにトライする目標をたてた。その後は、かき揚げを流し込むように、一瞬で食べてしまった。
食感も味も良かった。
お酒のおつまみには、もらった量だけでは足りない。
徳島大学で食用コオロギに関する研究がされていると聞いたことがあるが、安価であれば、日本でも居酒屋でわりと受けそうだな、と思った。
シェフの彼いわく、タンパク質を取るのに昆虫は適しているそうな。
また、彼はお酒が好きで、日本酒をいろいろと一緒にためしたのも良い思い出だ。
写真:彼の勧めてくれた西オーストラリアのビール
オーストラリアは日本食レストランが多く、日本酒に普通に出会うことができる。しかし、やたら高いので、次の日はいつも、前日に日本酒へ散財した金額に後悔した。
そして、私の帰国のフライト当日、彼は、
「スーツケースに余裕はあるかい?」
と連絡してきた。私はパッキングはもう終わって、宿からの出発時刻を待つだけになっていたのだが、
「少しなら」
写真:メキシコのお酒メスカル
45度以上ある強いお酒だ。写真のように素敵なラベルのボトルだったが、「こんな強いお酒をこんなに飲めるかな」と思った。
かさばるパーカーを1着あきらめて、かわりにこのメスカルと帰国した。彼のアドバイス通り、「おちょこに1杯だけ寝る前に」を続けたら、1ヶ月もたたずに空いてしまった。
最初は喉が焼けるようだったが、最後にはけっこう気に入っていた。
彼は将来、自分でレストランを開くのが目標だ。世界のどこでオープンしても行くよと約束している。
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チリから来たラガーマン
IELTSコースで一緒になったクラスメイトの中で、強烈な印象を私に残した1人である。
彼はラグビー好きというだけあって(というか今もプレーしている)、リーチ・マイケルのような風貌だ。
クラス内ではかなりの年上ゾーンに分類される。
既にオーストラリアに来て3年、こちらで仕事もしており、PRを取るため、IELTSを勉強する必要があるそうだ。※PR(Permanent Residency)
IELTSコースは毎日、授業前に任意参加のテストプラクティスが1時間もうけられている。要はIELTSのテスト練習だ。
月曜はListening、火曜はReadingというように、技能は日替わりである。
私はいつも参加していたのだが、ある日、ラガーマンから、
「Speakingを改善したいから、プラクティスの30分前に集合して、練習しないか」
というオファーを頂いた。私はSpeakingが大の苦手なので、快くそれを受けた。
「じゃあ明日、11時に!」
そう言って約束した。
写真:2日間のやりとり
翌朝、11:10に学校集合しようと連絡がきた。
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