Foundations of Psychology
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"A little from each of all aspects of psychology and much from a few"
というSeashoreさん(米国の心理学者)のことばから第一回講義が始まった。
そしてどれだけ気付かないうちに、様々な要因から影響を受けているかを学ぶ。
言葉通り、心や精神の学問であり、1900年代前半には学問として定義されたそうだ。
理論的・実験的方法を通して研究されており、メインとなる分野が以下。
Clinical psychology(臨床心理学)
例:セラピーなどを利用した精神病の診断や診療
Educational psychology(教育心理学)
例:教育方法の改善や教育現場での難しさを取り扱いながらどう人が学ぶかの研究
Organisational psychology(組織心理学)
例:企業文化、生産性、従業員満足などの改善への職場実践の調査
Forensic science(法科学)
例:犯罪プロファイリング、専門家証言などのリーガルイシューへの適用
Behavioural economics(行動経済学)
例:感情や先入観がどう経済的選択や消費者心理へ影響するか(心理学+経済学)
Primary areas of psychology / Major branches of psychology
Cognitive(知覚、記憶、感情、学習、情報処理、決断、問題解決、言語)
Developmental(人生の期間においての子どもの発達、大人の変化)
Social(個人・集団による相互作用の人の心理作用や決断への影響):ゴードンW
Personality(人格の個々の変数や心理学のメカニズムが行動へどう影響するか)
The Marshmallow Test(Developmental Psychology)
自己制御・自制心と満足の先延ばしの許容力の育みを検査したもの。
Walter Mischel にデザインされたもので、マシュマロをひとつ与え、決められた時間そのマシュマロを食べるのを我慢できた場合には、ご褒美にもうひとつマシュマロが与えられる、と被検体の子どもに説明した上で実施される。
self-control(自己制御)、delayed gratification(満足遅延)が時間と共にどうなるかを見る。
長期間の観察によると、幼い段階で自己制御がうまくできる子どもは、将来的に学業、幸福感、決断能力に優位を期待できることを研究は示しているそう。
講義中に見せられた映像には幼い女の子が2人、マシュマロを与えられるが、うち1人は時間前に我慢しきれず食べてしまった。
The Stroop Effect(Cognitive Psychology)
色の知覚能力がいかに自動的に文字認識へ直結しているかを、実験によって示す。
画面に出た文字の色を発声するだけなのだが、背景が黒で文字は黄色で書かれている場合は、「黄色」と答えなければいけないが、連続した画面にこういったものが含まれていると、簡単に間違える。
写真:Blackと発声してはいけない
このテストにより知覚制御と選択的注意のメカニズムが理解できることを示した。
Milgram's obedience experiment(Social Psychology)
これはミルグラム実験(リンク先1:45から)といって非常に有名であるが、米国の心理学者スタンレー・ミルグラムが行ったもので、個人はモラルに反してどれだけ権威に従ってしまうのか、というものを検査したもの。
被検体は問題を1問ずつ読み上げ、壁の向こうにいる人(研究者側の協力者)が回答し、間違っていると被検体が電気ショックを与えるボタンを押す、というものだ。
誤答するたびにショックのボルト数は上がる。
だが実際は、壁の向こう側の人は研究者側の協力者なので、実際には電気ショックはつながっておらず、毎回わざと回答を間違え、電気ショックのタイミングで「痛い」とか演技で声をだすというものである。
驚くべきことに、ためらいながらも死に至るボルト数になっても被験者はボタンを押し続ける。
この結果は、いかに社会環境や、権威、置かれた状況(密室など)が人の行動に強く影響するかをしめしている。
ナチスドイツの蛮行の説明にも用いられたりするそうだ。
この実験はSocial Psychologyの根本理念となっている。
Forensic Psychology(法心理学)
メインは Personality Psychology とCognitive Psychology の利用だが特殊なケースでは Developmental Psychology からの影響もある。
Personality Psychology
例:犯罪者、被害者、目撃者の特質や行動を評価する
Social Psychology
例:犯罪者の同調性、集団の影響、攻撃性などの態度と法的設定
Cognitive Psychology
例:記憶、決断、虚偽知覚
Developmental Psychology
例:若い違反者や子どものトラウマ、犯罪者の行為の変化に適用
Gestalt Psychology(Figure-Ground logic)
これはゲシュタルト心理学といって、ドイツで生まれた心理学だそう。
概して、Cognitive Psychology へ分類されるようだ。
図:花瓶が見えるか向かい合った2人が見えるか
視覚情報を意味のあるパターンへ、人はどう体系づけているか。
Figure(図:上の例だと花瓶)とGround(背景:上の例だと2人の顔)をどう視覚機能が分類しているか。
感覚的な入力情報を脳がどう処理して体系づけているかを取り扱っているため、Cognitive Psychology の一部とされる。(注意、認知、知覚)
What is Cognitive Psychology?
一部繰り返しになるが、定義としては、人がどう知覚、学習、記憶、情報処理をするのかの学問。
ある事柄を記憶する一方で、忘れる事柄があるのはなぜか、どう言語を学習するのかなども Cognitive Psychology の領域。
キーコンセプト
情報処理、注意、記憶機能、決断、学習と忘却
⇔ アップルの広告戦略の例
Behaviourism(行動主義)
心理学者は行動の観察に取り組むべきであり、内面の認知処理の考慮はいらない、とWatson(行動主義の創設者と言われる)や Skinner により議論された。
1900年代半ばまでは上記スタンスが主流。
Stimuli-response logic(刺激に対する学習された反応)を実験から知見を集めた。
例:パブロフの犬、Experiment of Little Albert(Watsonによる)
Behaviourism のコンセプト
内面的・精神的過程というより、観察可能な行動にフォーカスする研究であり、すべての行動は周辺環境と相互作用を通して学習されると考える。
観察できない心理状態(思い、感情、認知)は無関係とする。
学習は Conditioning(条件付け)から発生する。
Classical Conditioning(Pavlov)
Neutral stimulus(中性刺激:動物が反応を示さない刺激)Unconditioned stimulus(無条件刺激)と関連づくと、Conditioned response(条件反射)が生まれる。
例:パブロフの犬はベルの音を聞いただけで唾液が出る(エサと関連づいた)
⇔ Unconditioned reflexes(無条件反射:食事→唾液)
⇔ ある刺激からの反応(食事→唾液)を他の刺激(音→唾液)にも適用することにより新しい反射を習得するとパブロフは考えた。
この二つの刺激の関係はClassical conditioning または Pavlovian conditioning として知られる。
Operant Conditioning(自発的条件づけ:Skinner)
褒賞と罰によって行動が形作られる。
喜ばしい刺激によってPositive reinforcement(正の強化)が行動を動機づける。
例:良い行いを誉められた
望ましくない刺激によってNegarive reinforcement(負の強化)が行動を動機づける。
例:頭痛を取り除くため鎮痛剤を飲む
この行動主義の考え方には批判があり、Cognitive Psychology がそのアンサーとなる。
行動主義は心理学の発展に貢献する一方で、内面の過程、思考や記憶は行動の決定に含まれるべきで、特に言語習得など複雑な行為を行動主義は完全に説明することができない。(Noam Chomsky)
人の行動がすべて外部環境によるという提案は決定論的すぎる、と。
結果、Cognitive Psychology は行動主義にも取り入れられている。
以上、第一週講義まとめ。
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