写真:自由橋の先の丘の上から見たブダペスト
--------------------------------------------目次---------------------------------------------
奨学金のありがたみ
冬休み
大学生活
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奨学金のありがたみ
12月にやっと現地の
銀行口座を開けたので、今まで滞留されていた奨学金(生活費補助分の43,700Ft / 月)がどかどかどかっと口座に入金された。
日本円にすると16,000円 / 月程度だが、いっぺんに218,500Ft(約87,000円)振り込まれたので、やはり年間単位で考えると本当にありがたい補助だ。
そして公共交通機関の
学割の安さは、カイジ風に言えば悪魔的だ。
そこに16,000円 / 月とはいえ支給があるとはなんと素敵な奨学金だろう。
ハンガリーはもともと他国に比べて大学の学費は安いので、自費で入学したとしたら、住居費が一番大きな支出となる。
今、住居費がゼロというのは、貯金のみで生きている私にとっては一番ありがたい。
大学の寮に入れなかった場合は、40,000Ft(約16,000円 / 月)の補助が別途支給されるが、さすがに焼け石に水だ。
東京のような賃貸費用はかからないが、札幌程度の価格はする。
なので、来期も寮がしっかり確保できるかは私にとっては大きな勝負。
といっても抽選だが。
初年度は遠方の国ほど優先的に寮が振り分けられるので心配はいらなかったが、2年目はわからない。
2年目は、大学から一番離れているTarkarétでも甘んじて受け入れよう。
今年もこの素晴らしい奨学金制度Stipendium Hungaricumの出願期間の季節となった。
ちょうど1年前のいまごろ、この制度からの出願を決め、年末年始でモチベーションレターを書き上げたのを思い出すと、長い1年だったと感じる。
既に入学直前で1人、このセメスター終了後に1人、同年入学の日本人がこの奨学金を得たにもかかわらず帰国を決意したのは本当に残念だし、もったいない。
在ハンガリー日本国大使館、ハンガリー概況(2024年8月)(P20, (3)文化関係)によると、
"2013年には、文部科学省とハンガリー人材省との間で交わされた覚書に基づき、日本人学生約100名を対象とした奨学金プログラム「Stipendium Hungaricum」がハンガリー政府により創設された。
日本からハンガリーへの留学生(自費留学生含む)については、現在、主にリスト音楽院に約20人、ハンガリー国内の4つの大学医学部に約500人の日本人学生が在籍"
(以上、同資料より引用)
まず日本人医学生がそんなに在学していることに驚きだが、毎年、日本人約100名が奨学金の対象と成り得るのは魅力的な数字だ。
また、ハンガリー国立大学医学部というサイトによると
"医学分野から毎年20~25名程度が選抜され、今年は、新たに31名の日本人医学生が受給"
(以上、同サイトより引用)
このウェブサイトによると、「今年」は2023年のことだが、各年平均25名と仮定し、音楽院は学士1~3年に奨学生が合計約20人いるという前提とし、毎年平均7人が奨学生に認定されると仮定すると、合計32人となり、医学、音楽以外の分野に70名前後は日本人対象枠としてありそうだ。
その推定数をまとめるとこんな感じだ。
日本人枠 100名/各年
医学分野:25名前後
音楽分野:7名前後
その他:70名前後
今年も出願の締め切りは1月15日だ。(2025年)
冬休み
先週で12月の試験期間が一旦終わり、今週から大学は冬休みに入り、年が明けた1月の第1週が終わるまで基本的に大学は利用できなくなる。
1月7日にはとても重い試験が待っているのでそれにむけて準備するのが目下の課題。
その他2つ試験を残している。
昨日、ロシア人とレトロ博物館へ行った際(博物館は休館だったが)、彼は1つしか試験を残していないと言っていた。
彼はまるでコンビニへ行くかのように、授業に手ぶらで現れるのだが、(カバンも何も持ってこない)Sociologyのプレゼン日程をぶっちぎったそうで、講師に呼ばれ「3時間後にここでプレゼンしなさい」と、講師とマンツーマンで実施したそうだ。
そんな彼でも一番重い試験以外は12月に完了させている。
本日は12月25日クリスマスだが、私が住んでいるフロアはかなり閑散としている。
私のルームメイトもカザフスタンへ今朝帰国した。
もう1人のルームメイトのベトナム人はウィーンに滞在中だ。
写真:飲み物のストック
12月25日と26日は祝日となり、店はお休み。
私の大好きなSPARすらClosedのため、前日の昼までには2日分の食料品の買い物を済ませておかなければならない。
3人で小さな冷蔵庫をシェアしているので現在パンパンだ。
冬休み中、特に勉強以外に特段やりたいことも思いつかないのでこのまま勉強を続ける。
大学生活
やはり何と言っても「英語」が重要要素だった。
リーディングは知らない単語をいちいち調べて読むので時間がとてもかかる。
ライティングも文章構成にとても時間がかかる。
プレゼンのスピーキング準備には母語では考えられない時間を費やす。
英語のネイティブはほぼいないのでリスニングも想像以上に苦労している。
リーディング・ライティング
ChatGPTのようなツールを使用している生徒がとても多いが、それをやったら本末転倒なので、使っていない。(というか使い方を知らない)
自分の書いた文章のスペルや文法チェックに使うのはアリかなとは思うが、自分のタスクであるエッセイそのものをAIツールに書かせておいて、それを自分の言葉で書き直して提出する、というのはタスクの目的を失っている。
リーディングマテリアルをAIツールにまとめさせ、そこからエッセイまでを書かせる。
この読んでまとめる過程を学ぶのが目的で、一番苦労するし、また重要だ。
実際、ある友人はその方法でグレード5を取ったと笑っていた。
他の友人もロングエッセイの試験でスマホを筆入れの陰に置いてAIツールの回答を利用した。
私が工学部にいたころはそんな便利なツールはもちろんなかったが、もし私がいま20歳くらいの大学生だったならば、断言できる。
絶対AIツールを使用しているだろう。
なぜなら私の工学部時代を思い返すと、もっとちゃらんぽらんな学生だったからだ。
ある計算レポートで、提出当日の朝、友人のレポートをあせって写させてもらったが、勢い余って彼の学生番号まで写して提出したものだから、計算ミス箇所の他に、学生番号にもペケされて返却されたのを覚えている。
その科目の教授はシャレのカタマリだったので、笑いながらペケしたことだろう。
本当、よく卒業できたものだ。
いまは社会人を経て成熟した大人なので、何が目的かは見失わない。
なのでリーディングもライティングも苦労している。
スピーキング
これに関しては、
出国前IELTSのスピーキングのバンドスコアが5.5ということからも、苦労するのは目に見えていた。
いまは発言をまったくしないお地蔵さまのような存在なので、Class Participationという評価項目で、低くなるのはしょうがないと割り切っている。
できることはしっかりやる(プレゼン準備など)こと、できないことは1年後、2年後と年単位で徐々に改善すること、と分けて考えてとにかく焦らないことだ。
「まわりと比較」なんて意味のないことは絶対やってはいけない。
リスニング
この点は想像以上だった。
ケンブリッジ英検の鬼リスニングを突破した自負があったので、リスニングは心配していなかったのだが、第2言語としての英語がこんなに聞き取りにくいと思わなかった。
ケンブリッジ英検はBBCのようなRP(標準発音のこと)ではないので、それなりに多種のアクセントには勝手な自信があったのだが、経験したことのないアクセントは結局、経験しないと聞き取れないということか。
講師もほぼハンガリー人で、専門科目のスピーキングスピードはとても速い。
ケンブリッジ英検のリスニングも速いので、スピードだけなら問題なかっただろうが、アクセントが違う上に速いとなると、聞き取れなかった。
加えて、専門用語を知らない、知っている単語でも自分が把握していない意味で使われるものが含まれるので、さらに理解度が劣る。
実際、Sociologyのポルトガル人講師、Political Scienceのハンガリー人講師の英語は聞き取ることが困難だった。
そして方法論と歴史で、週3回の講義を受ける機会のあるハンガリー人講師は、セメスターの終わりごろにようやく慣れてきて、言ってる内容を把握できるようになった。
私の場合、それくらい時間を要するという指標になるだろう。わあたいへん。
逆に、米国人のクラスメイトとの会話で、聞き取りに苦労することはなく、
「キミの英語の発音きれいだね」
なんて、ネイティブにバカなことを言ってしまった。
蛇足
いまの大学生は、ノートというものを授業中ひらいているものはほぼいない。
また講義資料も物理的にプリントが配られることはいっさいなく、重い教科書もなく、pdfがプラットフォームにアップロードされる。
なので、前出のロシア人のクラスメイトのように、そもそも手ぶらの生徒も出てくるし、講義のノートを取ろうという生徒はみなラップトップか、パッドを使用している。
私はアナログなのでノートを取っているが、プリントが配られないのは、持ち物が増えなくてとても良い。(語学の講義は教科書もプリントもある)
私の大学生時代は講義のプリントだらけで、半端ない量になって整理もままならないし、卒業後にまとめて捨てるにも大変だった。
いまの大学生は、さすがデジタル世代でオンラインツールに使い慣れているなぁと見ていて思う。
ルームメイトにはスマホのAir Dropという機能を知らないことを笑われた。
スマホはコミュケーションツールとしてもちろん便利だが、むしろハンガリー語の翻訳に大活躍だ。買い物中、商品のパッケージをカメラごしに見れば、翻訳されてしまう。
私の兄が大昔に英国へ留学していた際は、英和辞典も重かったろうし、日本との唯一のコミュニケーション手段は、手紙かコレクトコールだった。
便利になったものだ。
こんなことを話すと年寄り扱いされてまた笑われてしまうだろう。
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