ブダペシュト・コルヴィヌス大学では、学部によって外国語の習得レベルCEFRのB2を最初の2年で達成することを課せられる。(日本の英語で例えるなら英検準1級程度)
私の学部はこの要件が必須である。
最初、奨学生はハンガリー語の授業が必修なので、ハンガリー語でその要件を満たすつもりだったが、英語とハンガリー語は「外国語」からは除外されるそうで、その他に1つ外国語を取る必要があることがわかった。
※11/11/2024 追記
この要件は、英語とハンガリー語以外の言語を母語としている場合、この「母語」は外国語に相当するため、テストがない言語の場合代わる証明書等で免除されることが先日確認できた。
私のケースの場合、日本の高等学校の卒業証明書和文とその翻訳を証明書として提出できる
そしてスペイン語の履修登録をしたのだが、それはハンガリー人向けで、英語の授業ではなかった。
そのため担当者へ直接連絡し、英語によるスペイン語の講義へ変更してもらった。
しかし、変更後のスペイン語のクラスが、必修のハンガリー語のクラスと重複したため、今度はハンガリー語の担当者へ直接連絡した。
履修登録にはAdd&drop(登録と抹消)という期間が設けられており、その期間を過ぎると、いったん登録した講義を抹消するにはHUF10,000(約4,000円)ほどかかってくる。
その期間を過ぎてから、あーだこーだとメールでやりとりしてたため、後者の担当者は相当切れていたと想像する。
めんどくさい仕事増やしやがって、と。
実際最初は「そんなの認められない」と言われたが、「じゃあスペイン語を抹消するしかないですね」と返信したら、最終的には対応してくれた。
感謝、感謝である。
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もくじ
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時間割
1コマ90分で、講義間は20分の休憩があり、1日最大8:00~20:40で7コマまで入れられるが、実際には必修科目を登録した時点で、なかなか選択科目をうまく入れることは難しく、必要最低限の語学や体育を入れるだけで精いっぱいだった。
履修登録が遅かったため、取りたかった選択が'Full'だったこともある。
授業は体育を除きすべて英語である。
私の日本での大学1年生の頃を回想すると、理系だったこともあり、コマ数はもっとあった気がするが、かわりに今はわけのわからない宿題があるので、週末は暇しない。
写真:19時の大学横の通り
月曜 8:00~18:50(3コマ)火曜 8:00~20:40(6コマ)
水曜 13:40~20:40(4コマ)
木曜 8:00~17:00(3コマ)
金曜 講義なし
ちなみに、どの講義でも日本人は私一人だ。
語学
英語:C1+クラス(2コマ/週)
すべての基礎となるのが英語なので、必須科目ではないが、履修登録した。
生徒の国籍はハンガリー、キプロス、中国、韓国、ジョージア・・・
講師はロンドン出身で、20年以上ハンガリー在住のエネルギッシュなキャラだ。個人的にいまのところ一番お気に入りである。
来週の授業では、各々何か記事を持ってきて簡単に説明せよ、との宿題アリ。
ハンガリー語:基礎クラス(2コマ/週)
Stipendium Hungaricumの生徒は必修。2セメスター(前期・後期)取る必要がある。最後のテストに失敗すると、奨学金の給付減額あり。
なぜかハンガリー語だけは第1週は講義がなく、来週から開始だ。
スペイン語:A1クラス(3コマ/週)
生徒の国籍はロシア、ウクライナ、コソボ、ルーマニア、ベトナム、中国・・・
写真:会話作成の宿題
ちょっと日本だと考えられない服装の女性講師である。さすがラテン。
テキストは2冊指定があり、購入の指示あり。
ただ、テキストを探して購入するのにも一苦労だった。
写真:本屋を探し歩いて見つけた
体育(Physical Education)
この授業も2セメスターは履修必須であるが、単位は付与されない。
本当に様々なスポーツが提供される中、遅れて履修登録したため、メジャーどころは'Full'の表示で履修登録ができなかった。
カヌーや水泳よりは、と思い「ファンクショナルトレーニング」を選択した。
授業はメインキャンパスからメトロで2駅先の小高い丘の上にある、新築の建屋なのだが、経営・経済系の生徒が普段講義で使用する離れのキャンパスである。
写真:新しくてトレーニング設備も豊富
スポーツ施設はそのまま一般の商業施設として運営されており、講師はそこの社員、といった感じの授業環境である。
最初の授業でまず確認したことは、留学生がハンガリー語の体育に参加して良いのかと、次の授業が全く間に合わないので、早めに授業を去ることが可能かだ。
どちらもOKと言ってもらえたが、こんな遠い場所だと大学側からなぜ履修登録時に注意喚起のアナウンスがないのか不思議だ。
そしてハンガリー語での授業である。
交換留学生のデンマーク人、ドイツ人と、日本人が犠牲になったが、講師もたまーに英語でしゃべってくれるし、何よりハンガリー人の生徒が英語でいろいろ教えてくれる。とってもやさしい。
結果的にファンクショナルトレーニングは、やったことのないエクササイズで、なまりはじめた身体には、ちょうどやりがいのある内容だった。
その日の夜には筋肉痛に襲われた。
専門
Research Methodology(研究方法論)
40人のクラスに7人(ハンガリー3人、コソボ、ロシア、ジョージア、日本)しかいなかったため、初日の授業で、次回からは他の同名クラスに無理やり合併させられる、とアナウンスがあり、月曜の8時という、休み明けの朝イチとなってしまった。
基本的に毎週、授業前にMoodleというオンラインシステムで参考書がアップされるので、それを読んで、同じくアップされている質問に対してエッセイを作成する。
そしてセミナーでは大きなテーマに取り組み、最後にはプレゼンという流れのようだ。
しかし、まずは宿題で聞かれていることが良くわからないので、与えられた本を読んでも、何を書けば良いのかわからない状態である。
ただ他の人に聞いてもようわからんとのことなので、そういうことなのだろう。
Philosophy(哲学)
欧州はPhilosophyを学ぶことが普通と聞いたことがあるが、この講義は他の学部も混ざっており、200人以上生徒がいる。
なぜかこの講義だけはオンラインだ。
いままでの人生でまったく関わりあったことがない学問なので、最終的にはプレゼンをしたり、テストがあるらしいが、まったく未知だ。
ちなみにオンラインでも質問がばかばか来る。さすが海外。
Foundation of Sociology(社会学の基礎)2コマ/週
写真:講義は大ホール、セミナーは教室
この講義も240人の生徒がいる。
講義とセミナーに分かれており、セミナーは40人程度にクラス分けされる。
大講堂で授業で、セミナーで実際にグループワークを行い、各週2名ずつプレゼンという形式。
この講義もMoodleというオンラインサービス上に文献などがアップされる。
Early Modern and Modern World History 2コマ/週
この講義は150人程度。
この講義はちょっとやばい。恐らく日本語で講義されてもわからないことを英語で聞かされてる。
欧州や英語圏の生徒とは、小中高で学んできた歴史知識のベースが違うため、アジアの生徒はたぶん皆わからないのではと思う。
となりの席の米国帰りの韓国人は「自分だけじゃないよね?わからない人」と私に伝えてきた。もちろん私もわからない。
写真:こんな距離間でも生徒は発言する
ただ自分の日本の大学の記憶と大きく違うなと驚くのは、大講堂なのに、講師と生徒が普通に意見をやりとりするところだ。米国や英国から来てる英語ネイティブの生徒はまあ置いといたとしても、その他の生徒もがんがん講師へ意見や疑問をぶつける光景は、かなり新鮮。
そしてこの講義は週2コマあり、前出のMoodleには400ページある参考書が既にアップされている。
Social History
こちらも250人ほど生徒がいる中での講義だ。
なんだか覇気のない講師が登壇し、突然何の説明もなしにWest Side Stroyという古いミュージカルを5分ほど見せられた後、来セメスターからこの講義は削除されることが決まったので、あなた方は私の最後の生徒になります、という説明から授業は始まった。
今もあるかわからないが、これは昔の鬼仏表でいうと仏にあたる講師のようだ。
そんな姿勢の為、終始大講堂がざわついており、はっきりいって煩わしかった。
そして最後まで冒頭のWest Side Stroyへの言及はついになかった。
Introduction of Political Science
これも250人の生徒がいる。
20:40に終わる最後の授業なのでかなり体力的にも精神的にもキツイ。
しかもアクセントが強いので私にはけっこう聞き取りがキツイ。
講師がサッカー好きなのはわかった。
図書館
その新しいビルのセンター部分には図書館があり、自習スペースや予約制のグループワーク用のスペースなどがある。
金曜は授業がない生徒が多いためか、午後くらいから自習スペースもガラガラで居心地が良いが、数時間もいると身体が冷えて寒くなるので上着持参が必須だ。
外の気温はというと、大学が始まる前、先週までは普通に暑かったのに、今週からいきなり寒くなった。
週末はコートがいるくらい冷え込んでいる。

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