欧州の大学へ留学
2023年10月から始まった、欧州の大学への出願経過を備忘録として残す。
欧州ではどの国も英語で多くのプログラムが開講されているので、ドイツ、トルコ、チェコ、オランダなども含めリスト化したが、学部、場所、コスト、カリキュラム内容などの面から最終的に以下の大学へ出願作業を進めた。
学部と大学を探すのにはstudyportalsというサイトを利用した。これは学士だが、修士バージョンのサイトもある。
マルメ大学、ヨーテボリ大学
ハンガリー
ブタペシュト・コルヴィヌス大学、セーチェニ・イシュトヴァーン大学
ポーランド
ワルシャワ大学、ヤギェウォ大学、ヴロツワフ大学
スウェーデンの出願
スウェーデンの出願システムは一元化され、かなりシンプルでわかりやすかった。
出願したい大学と学部をシステム上で選択すれば、あとは各大学の出願要項に沿って、書類をアップロードして終わりである。
私の出願した学部(学士)は面接もモチベーションレターもなく、10月に関係書類のデータをアップロードして、あとは翌年の4月まで合格発表を待つのみ。
英語の要件は、CAEやIELTS6.5(5.5未満を含まないこと)である。(学士)
日本の公立高校は卒業から5年以上経過すると、成績証明書は発行されないので、私の場合、出願要件を満たせないこととなったが、日本で卒業した大学の成績証明書もアップロードしておいたので、その辺は考慮されたようで最終的に免除された。
ただし、モチベーションレターも面接もないのは、出願作業としてはラクな反面、こちらの思いをアピールする機会はない分、提出書類の内容(成績)が重要。
結果、2校ともウェイティングリストだった。
この国の大学出願は早く、10月16日にオープンし、翌年の1月15日締め切りであった。
ハンガリーの出願
ハンガリーの大学は、各々オンライン申請のシステムを持っており、出願期間もそれぞれ違う。
しかし、私の場合は、Stipendium Hungaricumというハンガリー政府が設けている奨学金制度を通して出願したため(第2希望まで選択できる)、一つのオンラインシステムで関係大学が一元管理され、出願期間も通常出願より早かった。
奨学金制度の出願は11月中旬にオープンになり、締め切りは翌年の1月15日。
私は年の瀬に奨学金制度からの出願を決意し、年末年始でモチベーションレターを書き上げ、締め切りギリギリまで修正を繰り返した。
英語の要件は、FCEやIELTS6.0~で、スウェーデンと比べるとかなりゆるい。(学士)
このルートでの出願は、英語の証明書の成績も大事かと思うが、モチベーションレターは審査のかなりの比重を占めると思われる。
出願したコルヴィヌス大学では、奨学金制度を通して約7,000人の出願者がおり、モチベーションレター等の書類で1,300人まで絞られた。
その後、各学部のオンライン面接や試験でふるいにかけられ600人となる。
第1志望のコルヴィヌス大学は面接を受け、晴れて600人の中へ滑り込めた。
しかしこの後、最終ステップとして、奨学金の機関で、奨学生として認可するかの最終審査があるため、7月頃まで待つ必要がある。
そしてその数は300人程度まで絞られる。
当初約7,000人いた出願者の4%未満が、この大学に奨学生として迎え入れられるということだ。(各数字は大学のウェビナーでの提示資料による)
ちなみに第2志望の大学からはオンラインのテストが指示され、簡単な歴史、英語能力を問う試験を受験した。
ポーランドの出願
ポーランドもハンガリー同様、各大学が出願システムを設けており、出願期間もまちまちである。
そのため、ワルシャワ大学の出願期間を勘違いし、ファーストラウンドに出願し損ねてしまった。
結果的には、空席があったようでセカンドラウンドがオープンしたため、事なきを得た。
高校の卒業証明書と英語能力の証明書をアップロードすると、そのあと面接などが無ければ選考結果待ちとなる。
英語の要件はワルシャワ大学の場合、FCE GradeB、IELTS5.5-6.5とある。(学士)
ヤギェウォ大学は、英語の成績証明書すら提出せずに、いきなり面接だった。それにパスすると、各要件の書類をアップロードするという順番である。
ヴロツワフ大学は書類のアップロードだけで終わりで、出願ボタンを押すと約2週間で合否連絡があり、その後Letter of offerを受けると4週以内に学費を納めることとある。
欧州の大学制度
欧州の大学に入学することが、どれほど難しいか、または容易なのか、その感覚が全くわからなかったので、何校、どういう順番で出願するかは、なかなか難しい作業だった。
日本の大学入試制度と全く違う上に、出願時期、面接時期などが大学によってバラバラであるため、ある大学をバックアップとして準備しようとしても、本命の結果が出る前に授業料を納める時期が来てしまうだとか、第2志望の国のビザや提出書類作業を進め続けなければいけない(アポスティーユという面倒な作業がある)ということが起こり得る。
他に日本との違う点をあげれば、ストレートでの卒業率は総じて低いようだ。
学部によってその数値のばらつきは大きいようだが、大学全体のざっくりの値がU-multirankというサイトで見れる。
(リンクはワルシャワ大学の例)
4割前後の数字が出てしまうところが、日本の大学システムとの違いを如実に表している。
日本に真似して欲しいなという点もある。
EUの居住者は基本的にEU内の大学へ進学するのに学費はかからないため、日本の大学も、日本人に対しては学費免除となれば、社会人から学びなおしの機会を求めやすくなるのにな、と思う。
また、欧州の大学にはエラスムスという交換留学プログラムがあり、1年程度、他国の大学へ無償で留学でき、そのネットワークはかなり広い。
海外の大学は、日本と逆で、入るのは簡単だが出るのが難しい。
これは昔から耳にしてきた決まり文句だが、日本の大学共通テストと2次試験にかける準備の大変さを考えると、その通りなのだろう。
しかし、欧州の大学は高校の成績証明書を提出させるので、高校入試だけ頑張って、あとはちゃらんぽらんな学生生活を送った人は、欧州のように書類審査だけの大学への出願は苦労するかもしれない。
英語での開講プログラムが欧州の大学で多いことが、欧州内の学生の動きを活性化させる一端を担っているのは間違いないが、日本人の出願者にとっては、英語能力の証明書の準備は低くないハードルだろう。
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