Foundations of Psychology 第9週は、次の法学のクラスが休講になり、翌日はメイデーで祝日ということもあってか、200人いるはずの教室に、私を含め4人の出席者だった。
スライドに書いてある内容はいつも人生を営むうえで大事なことが書いてあるのだが、まあ今この瞬間を生きる10代にとっちゃどうでもいいことか。
上は毎授業の小テスト現状で、今週(Eighth week)は 9 / 10点となっているが、システム側の問題で、正答が誤りと判断されており、システム修正中とのこと。
おそらく来週には10 / 10点に修正されるだろう。
Aggression and Helping Behaviour
これら2つは一見すると、相反するが、社会心理学的には類似した機構と考えられる。
(感情、社会規範、他者の役割など)
いつ、そしてなぜ、我々は助けようとしたり、攻撃的になったりするのか。
どれだけ個人の性格や状況的性質によって決められるのか、などを学ぶ。
Aggression
定義することは簡単でなく、多くのかたちを持つ。
端的に言えば、故意的に誰かを傷つける行為である。
(偶発的に誰かを押してしまった、などは aggressionではない)
原因の根源はいさかいから来る。
(2人かそれ以上の参加者の目的の間の興味のいさかい)
Aggression を説明する理論で最も有名なのは、
Catharsis theory(カタルシス理論)
Frustration-aggression hypothesis(欲求不満攻撃性仮説)
Social learning theory(社会的学習理論)
Catharsis theory
怒りや恐怖などの抑圧された感情は出口を探す。
もしそれらを吐き出すことができなければ、溜まりに溜まり、突然の憤怒、攻撃、または病気にさえなる可能性がある。
それゆえ、攻撃的衝動を表現することはそれが積み重なることを防ぐ助けになる。
しかし、近年の研究からは、怒りを表現したり演じることは状況を悪化させることが示されている。他者も怒りや攻撃性を持って反応するだろう。
なぜ我々はいまだに「letting off steam(直訳:蒸気を逃がす)」を信じるのか。
Catharsis theory は自己規制の責任から解放する。
怒りは時間とともに収まり、たとえ実際そうでなかったとしても、怒りを表現したことが役に立ったという錯覚を生む。
Frustration-Aggression Theory
この理論は aggression が frustration から来るとしている。
フラストレーションはしばしば攻撃性に変わる。しかし、必ずではないが、特に強い自己認識や強い自己制御を持つ場合にはそうなる。
Aggression はいつもフラストレーションの根源をターゲットにするわけではない。
フラストレーションが解決されたあとですら、aggression はまだ存在し得る。
例:
金網で仕切られた先におもちゃが置かれ、子どもたちは手に届かないおもちゃを見る。
いったん金網が取り払われると、子どもたちは、金網が最初から無かった子どもたちより攻撃的に遊ぶ。
Social Learning Theory
ここで関連実験の動画。
子どもたちをプレイルームに入れる前に、大人が起き上がりこぼし人形を攻撃的に殴ったりする映像を見せる。
すると、見せられてない子どものグループとは違い、そのグループの子どもたちは人形に対して攻撃的な振る舞いで遊ぶ。
より富んだ攻撃性の表現を生み出した子どもいた、という実験動画だ。
Albert Bandura の Bobb Doll Experiment(1961)である。
Aggression は観察から学ぶことができ、特に観察されたモデルが成功しているように見える場合、子どもたちが見た攻撃的な行動を、驚くべき創造性で真似した、ということが示された。
追跡研究は媒体(テレビ、SNSなど)が、どうモデリングに影響するかを探求した。
これらの研究は、方法論的に挑戦である一方で、aggression への暴露が繰り返されると、視聴者は鈍感になり、攻撃的行為が普通になることを示す結果もある。
Classifying aggressive behaviour
Active vs. Passive
アクション・非アクションを通した攻撃性(座り込みや遵守拒否)
Direct vs. Indirect
対象への直接か間接攻撃性(身体的危害やうわさの拡散)
Hostile(Emotional) vs. Instrumental
身体的行為または言葉として攻撃性が現れる(殴るまたは侮辱)
Proactive(Offensive) vs. Reactive(Defensive)
積極的計画または脅威を感じた反応(エゴや自尊心のため)
Antisocial vs. Prosocial
社会に害を与えるまたは社会秩序に仕える(破壊行為:vandalism や警察介入)
Cyber Aggression
デジタルツールによるハラスメント、脅迫行為(SNS、メール)
Who is more aggressive?
The Odd Couple(1968)というとても古い映画のワンシーンで、前出の攻撃的態度のどの分類にあたるかを確認。
A 'Robbers Cave' experiment
平均的プロテスタントの中流階級の11歳でグループは構成される。
対立と解決にフォーカスしている。(conflict and resolution)
(realistic/realist conflict theory)
子どもたちは1つのグループのみ勝利するという状況に置かれる。
始めに、対立がグループ内の結束と階層を混乱させる。
しかし、のちに、当初、特に攻撃的態度を見せなかった子どもたちの間で、激しい集団間の攻撃性を誘発する。
この攻撃性は現実的原因があり、zero-sum resources の困難が攻撃性を生む。
上位目標の重要性が見える。
Norms that define aggression
Explanations behind aggression
・進化論的説明:資源をめぐる競争
(性差、「成功した」サイコパス、素早い人生戦略)
・選択肢がない、「失うものは何もない」
・攻撃の背後にある「能力」(攻撃から利益を得る者は攻撃に従事する。例えば、強く支配的な男性は攻撃に伴う潜在的なコストが低い)
How to reduce aggression and conflicts?
Non-aggression の規範の促進:
報復の可能性の減退、弱者保護
集団間の類似性の強調:
集団の共有は肯定的感情を促進、そしてそれは攻撃性とは相いれない
10数える:
体系的処理を促すことによって、より正確に状況を解釈することを助ける
重要要因を減らす:
更なる銃規制など
(重要要因は、あからさまな攻撃的態度の可能性を増加させながら、攻撃的思考・感情を活動的にする)
Hot sauce paradigm
関連実験の動画。
攻撃性が減った事例を示した動画だが、番組作成という時点で多かれ少なかれ演出が入り込むのであまり好きではない。
Helping behaviour
Commitment to helping those in need
米政府によって1961年に設立された組織がボランティアを海外、主に発展途上国へ派遣した。目的は世界平和と国際協調であった。
援助を必要とする国やグループの人々へ、困難の克服や、専門分野の訓練のために、熟練ボラテイアが専門的・慈愛的な援助を提供した。彼らはまた米政府の政策を擁護し、プロパガンダ資料を広め、アメリカ的生活を他者へ、他文化を米国社会へ促進した。
ボランティアは現在、1990年以降は旧社会主義国も含み(主に外国語講師として)、約60か国で従事する。
彼らは2か年計画に10~14週の訓練と言語学習をしながら準備する。
ボランティアは最低限の生活費のみ受給する。
Peace Corps の参加者は将来のキャリアを約束される。現地従事者は派遣されたその国の労働・住居環境で生活し、今までの生き方とのギャップに、しばしば大きな困難に直面する。
最もお馴染みの派遣先は農業、教育、健康、地域コミュニティ、家事関係である。
Lack of assistance
極端な例:Kitty Genovese case
1964年3月13日、帰宅途中の彼女は駐車をしていた。
後をつけていた男(Winstion Moseley)に襲われた。
近所の住民は悲鳴を聞き、男に叫んだ。
すると男は警察を呼ばれると思い、自分の車へ戻ったが、警察は来なかった。
彼はエントランスに入りかけた彼女を再度遅い、彼女は息絶えた。
ニューヨークタイムズによると、38人が彼女の悲鳴をその夜聞いた。
この効果の1つの理由は責任の分散(diffusion of resposibility)である。
たくさんの他者の存在が誰かが反応してくれるだろうと、各個人の責任を減退させる。
これは bystander effect(傍観者効果)という用語がつけられ、他者の存在により、緊急事態での干渉や助けの提供を個人がしなくなる傾向について言及する社会心理学現象とされた。
つまり、他者の存在が、助けを必要とする人へ個人が申し出ることを阻害またはその可能性を減退させる。
Prosocial behaviour
包括的コセプト
・行為は誰かを助けることを目的とする
・行動による結果ではなく、prosocial として定義するその行動の背後にある意図
・Prosocial な行為は必ずしも個人へ直接向かうわけではなく、集団全体への益のために実行される
・援助行為は一般的には非対称(asymmetric)、一方が提供し、他方はそれ受け取る
(しかし、例えば2人以上の人が働く先の目標はすべての人に共益となり、普通すべての参加者が貢献に関わる)
Examination of Altruism
・個人的褒賞の期待なしの援助行為
・外的褒賞や処罰が全くない時にでも発生
・自己犠牲(self-sacrifice)も関わる
(援助者が傷ついたり、害を受けたり、時には命を危険にさらしてまで)
なぜ人は他者を助けるのか。
Explanations behind helping behaviour
Kin selection(血縁選択)
遺伝子を共有するため、見返りを求めず血族を助ける
Reciprocal altruism(相互利他主義)
相互扶助を期待し、他者と協力する
Helping strangers
与えるだけの余分なものを持っているという兆候
The Empathy-Altruism Model(Bstson, 1981)
他者を助ける行為のベースは苦痛(心配、怒り、恐れ)になり得る。
→ Egoistic helping behaviour または撤退
他者を助ける行為のベースは共感的な思いやり(同情、哀れみ)になり得る。
→ Altruistic helping
後者の存在を示す例として、参加者が苦しんでいる人を置き去りにして簡単に立ち去ることができたにもかかわらず、高いレベルの共感的関心を示した参加者は留まり、助けたという研究がある。
The limits of empathy
我々は、特に同じ集団内の一人の苦難者に容易に共感することを知っている。
※ここのスライドは移民の小さな子どもが地中海沿岸に打ち上げられた写真
Darley and Latané's classic model of the steps leading to helping behaviour:an unconscious decision tree
以下、これらステップの説明となる。
Own situation as an inhibiting factor
The Good Samaritan study(1973)
研究によると宗教教育と明確な道徳的メッセージは helping behaviour に繋がらない。
被験者は宗教のテキストを準備するよう依頼され、そして大学内のもう一つの建屋へ行くことになっていた。
被験者はその建屋の到着までには十分な時間があると考えた人もいれば、きっかりの時間があると考えた人、遅刻しそうだと考えた者もいた。
Helping behaviour を真に予測した唯一の要素は、被験者が急いでいたかどうか。
もし急いでいれば、Good Samaritan story を学んだばかりという事実にも関わらず、その被験者たちは手助けという行動をとらなかった。
How likely is it that you would help?
ここで、講義室の生徒に質問(といっても4人しかいなかったが)。
最初、4人のうち2人が目を閉じて、スライドを見ている残りの2人は、次の状況でどうするかを問われた。
あなたが道を歩いていると、女性が男性に腕をつかまれているのを見ました。
その際、女性がこう言っているのを聞きました。
「I don't know why I married you」
あなたは助けに入りますか。
1絶対助けに入らない
2おそらく助けに入らない
3もしかしたら助けない
4なんとも言えない
5もしかしたら助けに入る
6おそらく助けに入る
7必ず助けに入る
で、数字を心に決めた後、目を閉じていた2人は別のスライドを見る。
あなたが道を歩いていると、女性が男性に腕をつかまれているのを見ました。
その際、女性がこう言っているのを聞きました。
「I don't know you」
さて、同じ評価項目だと何番になるか。
Protection of privacy
上記のエクササイズと言葉が少し変わるが、
「I don't know why I came to you」
と、
「I don't know you」
のケースだと、同じ暴力性な態度であったが、傍観者のうち、前者は19%が介入し、後者は65%が介入したというものである。
Diffusion of responsibility - The case of the epileptic
※ epiletic:てんかん
Darley and Latané(1968)
被験者は2人、3人、6人のグループに分けられていると認識しており、別々に作業するが、全グループ同時に行う。
1人のメンバーが発作を起こす。
被験者が、自分が唯一の助けに入るべき人間だと思った場合、100%が行動に入った。
しかし、他者が介入できると思った場合はその率は60%まで落ちた。
実験は36の都市で実施され、より人口密度の高い都市ほど助けに入る率が低かった。
Levine et al., 1994
The costs and benefits of helping behaviour
以下の両者を天秤にかける。
Costs
時間、労力、妨害、金銭、不適切な環境や身体的危険、基本援助能力の不足
Benefits
感情的達成感、直接的褒賞、負の感情の減退(ここに真の利他主義はあるのか?)
以上、これらのステップを通り、helping behaviour となる。
Other important factors behind helping behaviour
個人差:
共感能力や他者に関心を払うかがどれだけ動機づけられるかの違い。
助けざるを得ない環境に置かれた時しか行動に移さない者もいれば、積極的にそういった機会を求める者もいる。
困難の原因が外的、人の意に反し制御不能、望まれないものの場合や、被害者が(社会的地位、年齢など)似ている場合、我々は助ける行動を起こす。
複数の潜在的援助者の存在は、その行為を起こす意思を減退させる。
社会規範や他者への行為が、すべき正しいことであると示唆しているという理由で助けに入る人もいる。社会規範がそういった行為を推奨しないものもある一方、社会的責任のような規範は、特定の人たちが助けられるべきと規定するものもある。
Norms that determine helping behaviour
Feel stressed? Help others!
ストレスを味方にしようというTED動画。
ストレスの悪影響を克服するのに最も効果的な手段のひとつは他者を助けること。
(動画10分頃から)
Positive psychology movement の創始となった、幸福な人たちの研究は、感謝と親切によって特徴づけられると同様に、他者へのhelping behaviour によるものである。
Positive psychology の介入は被験者の無欲、helping behaviourを掻き立て、結果、自身のwell-being を改善させるものもある。
Helping behaviour and aggression at the workplace
Counterproductive work behaviour (CWB)
どの国際的職場の、組織の正当な利益と相反する行為
・Robinson and Bennett(1995)によると、受容された規範の違反は、2軸によって定義される4領域に代表される。
2軸は、
Organisational - Interpersonal deviance(対人関係の逸脱)
Minor - serious deviance(重大な逸脱)
領域は、
1.Property deviance(serious x organisational)
2.Production deviance(minor x organisational)
3.Political deviance(minnor x interpersonal)
4.Persopnal aggression(serious x interpersonal)
Organisational Citizenship Behaviour(OCB)
所定の業務を越える行為の形態。職務上の業務の一部ではなく、また正式な褒賞システムによらない組織の側へのいかなる努力。
以下へ現れる。
Altruism(利他主義):
業務に関する問題を解決するために他者を助ける。
Sportsmanship:
不正や不満に直面しても犠牲心やポジティブな態度を維持する。
Organisational loyalty:
組織の目的を擁護し、支持する。
Organisational compliance:
たとえ監視されていない場合でも、組織のルールやプロセスを内部化する。
Individual initiative:
期待を越える、建設的提案をする、熱意を持つ。
Civic virtue:
責任感、組織への貢献、保護。
Connections between helping behaviour and aggression
In a nutshell
矛盾しているように見えるが、同時に社会心理学の機構的に類似した2つの主要な態度。(感情、規範、他者の役割など)
規範は helping behaviour を支持したり、妨げたりし、そして規範は攻撃性を支持したり、妨げたりする。
Helping behaviour とaggression の背後にある説明と重要な要素を理解する。
広告
![]() | 新品価格 |


0 件のコメント:
コメントを投稿